零式艦上戦闘機三二型
ハセガワ 1/72
零式艦上戦闘機三二型概要
零式艦上戦闘機三二型は二一型の栄一二型エンジンから、速度向上のため二一型に換装、それに伴いカウリングなどの整形が変わり、より洗練された形となりました。さらに横転性能向上のため主翼端を短く角形にしました。
速度の上昇が思ったほどではなく、航続距離の低下が当時の搭乗員達にも不評でわずか350機足らずの生産で終わったということになっていたのですが。
そもそもの用兵方法が間違っていたのではと思います。エンジン出力の向上と短い主翼は水平面の格闘戦よりも垂直面を生かした一撃離脱の戦いを目指したモノではないかと。そう、ヨーロッパではそれが主体となり、太平洋でもそうなっていく戦い方です。零戦の中でも鬼子のような扱いの三二型。むしろ零戦が当時向くべき方向性はこちらではなかったかと。
長駆が売りの二一型もそもそも、搭乗員の訓練につぐ訓練の賜物ですし、やはり、最後の格闘戦闘機としては優秀でしょうが、それを敗戦まで使わねばならなかった日本という国の限界も見えるわけです。
零式艦上戦闘機三二型の製作
ファインモールドがスケールアビエーション2009年1月号のマガジンキットとして発売した零戦三二型。このキットが欲しくて買ったわけではないのですが、とりあえず買ったみたいです。多分、その年のJMCレポートを見たかったのに付録のせいで立ち読みできなかったからでしょう。
二一型はもう二回も作ったし、緑の零戦はあんまし興味がないので、この三二型を作ってみることにしました。出来は文句なしによさげですし。
キット自体はほんとに文句なしの出来です。自分もピトー管以外はストレートに組みました。摺り合わせさえきちんとすれば、パテもいらないのではないかと思わせる良いキットです。ストレートに組むも良し、このキットを生かしてディティールに凝るのも良し。良いキットの見本みたいなものだと思います。
塗装はいわゆる「灰緑色」はちょっと緑が強すぎて好きじゃないので、グレーよりで。スケールものだから個人的好みとかで仕上げていくのは良くないのかもしれないのですが、模型的には演出が重要だと思いますから、こんな感じでまとめてみました。スケールモデル的正解でもないですから、参考にはならないと思いますが。
詳しくは制作記「零式艦上戦闘機三二型製作現場」にて。
零式艦上戦闘機三二型の製作を終えて
出来がいいキットを嘆く方がいますが、良いキットは何かするときでも基本の改修がいらないだけで、それだけ楽ですし、何しろ短期間で形になるということはプラモを作り続けるという面で非常に重要なことだと思うわけです。あくまで「プラモ」ですから。
ですから、こんなキットをマガジンキットといわず、店頭に行けば手に入るキットとして出してくれませんかねえ?
「平成の零戦」と並べて見ました。嘘バイパーゼロですけどね。