YF-16

ハセガワ 1/48 F-16AとF-2Aのミキシングビルド

YF-16前

YF-16概要

ベトナム戦争で米空軍が気付かされたのが、自分たちが所有している戦術戦闘機群(いわゆるセンチュリーシリーズ)がことごとく役に立たないことであった。そもそもセンチュリーシリーズの防空戦闘機以外は、核爆弾を腹に抱え込み敵陣に突入するのが目的の戦闘機であったため、爆弾を抱えるのならまだしも、敵戦闘機とやりあう想定はなかったのである。じゃあ、なぜF-105やF-111にバルカン砲を搭載しているの?とか、F-4は海軍機なのに機銃のたぐいはなかったの?てのはわからない。Fの接頭記号がつく限り戦闘機だと主張したかった空軍の維持か?だから、攻撃機ではなく戦術戦闘機。米空軍の戦闘機は威風堂々としていなければならない。なにせ世界最高の米空軍機なのだから。
で、ベトナム戦争の教訓から空軍が出した答えがF-15だった。完全なる格闘戦闘機。たしかに完璧だった。しかし、高くついた。ある意味でF-15はセンチュリーシリーズの二の舞いになったのである。あるゆる高性能を詰め込んだため、機体価格が跳ね上がってしまったのだ。いくら高性能でも数が揃えられなければ意味が無い。
そこで登場したのがLWF(軽量戦闘機)計画だった。元来、米空軍は小型軽量の戦闘機を所有せず、開発したとしてもF-5のような輸出専用機の扱いだった。しかし、小型軽量戦闘機のほうが、大型化した戦闘機より有利だと主張するジョン・ボイドを始めとするファイター・マフィア(この辺りは詳しいことを書いてある書籍やサイトがあるのでそちらを参考に)の根強い説得でじゃあ、試しに試験だけやってみるかい?と始まったのがLWFだった。
LWFの計画のもとYF-16とYF-17が生まれ、それぞれがF-16とF/A-18として空軍、海軍の主力戦闘機となるのだが、やはり両者ともF-15、F-14の価格高騰故に生まれたものである。空軍、海軍とも好き好んで採用したものではない。それほど、無限にお金をかけられる世の中ではなくなったのだ。

YF-16後ろ

かくしてめでたくF-16は採用され、F-15機数をしのぎ米空軍の主力どころか、世界中の主力戦闘機になってしまった。それは純粋な戦闘機としてではなく、攻撃機にも最良な戦闘機だからだ。かつて、米空軍が手に入れようとした戦術戦闘機はここへ来て実を結んだのである。多分、自分たちが想像もしていなかったオチに。
そして、現在F-22がF-35に主役の座を奪われる羽目になりかけているのに同じ歴史をみるのは自分だけだろうか?

YF-16前

YF-16の製作

F-16XLを1/48で作った時にいつかはYF-16もやりたいなと思って、ついに実現。エアインテイク内の筒部分をまたバキュームで作りなおしかとバルサ買って躊躇していて、たまたま近所のブックオフでF-2が安くなってるのを発見して購入。制作に入ったのでした。
基本形はA型でバルカンのスリットが別パーツのやつとアキバのレオナルドと称する中古屋で物色。なんとか金型改修後のA型を見つけてそれと先のF-2とのミキシングビルドと相成りました。別に現行タイプのブロック50以降でもハセガワのやつなら作れるのですが、A型のバルカン砲のスリットは作るのが大変なので。あ、YF-16のものはA型のものと若干違いますがね。
インテイクの内部、楽出来るわいと思ったのですが、胴体の短縮に伴うつじつま合わせで思ったより苦労してバキュームで作った時より手間がかかった気がします。角度つきすぎてファンブレードがあんまし見えないし。

YF-16前

図面に合わせて、実際に量産型の方でストレッチされた部分に合わせて切った貼ったしましたが、どうしても出来なかったのはキャノピーの部分。これ、量産型だとYF-16に比べ長いし形そのものも若干違う(ガラス面の高さの頂点が違う)ので、作りなおそうかと思ったのですが、これの型を正確に作る自信がないのでそのまま利用することにしました。オープン状態なので長いのはあんまし気にならないでしょう?

YF-16、コクピット

エンジン排気口はF-15のアイリス版がないものにF-16のアイリス版の一枚一枚切り出して貼り付けました。内部の再現を使いたかったのでこんな手間かけましたが、あんまし意味がなかった気もします。なんか、排気口が長い気もしてJ79エンジンを載せたF-16/79に見えなくもなく。

YF-16、垂直尾翼

一応細部も分かる部分だけはYF-16に準じてみました。わからない部分は量産型にしています。
塗装はグロスの研ぎ出し。方法は車とおんなじですが、だいぶ失敗しております。写真は失敗した部分は隠しておりますが。まあ、映り込みはそれなりにあるみたいだし、自分の根気ではこれ程度でしょうと。製作記はこちら→「YF-16製作現場

YF-16の製作を終えて

F-16といえばこのYF-16のトリコロールカラーというか、アメリカ国旗の3色カラーです。昔、小学生の頃、デラックスビッグワンガムでこのYF-16がモデル化していて、こんなカラフルな戦闘機ってあるんだとこの機体のお陰で、ガンダムがリアルに見えたのは気のせいじゃないでしょう。あ、その頃ガンプラはグリーンやグレーに塗っていたから全然関係ないかもです。
自分自身YF-16と3色カラーのFSDのF-16が違うものだと気づいたのは最近のことで、ハセガワの1/72のキットの価値が今回の制作でやっとわかりました。平面の参考にハセのキットをスキャンして使っています。
F-16史上、一番長いモデルと一番短いのを作って大きさの違いをと言っても標準的なモデルがないとなんとも言えないですね。機会があれば普通のC型を作ってみたい気もします。その時は簡単そうなタミヤのキットかな?

YF-16、F-16XLと

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