M50A1 ONTOS(オントス)
アカデミー 1/35
M50A1オントス概要
M50A1オントスはアメリカ陸軍が開発した自走無反動砲です。開発当時、まだ対戦車ミサイルは配備されていなかったので、ロケット砲より命中率が高いこのような車両が開発されたのだと思われます。
無反動砲を複数載せた無限軌道式の自走車両は陸上自衛隊の60式自走無反動砲がありますが、それは2本だけで、6本も載せるとはちょっと過剰と思われますが、ヒットアンドウェイで打ち込むのと弾の装填が車外で手動だというところをみるにたけ、素早く動くのを意図してのことかもしれません。砲塔も稼働し、ある程度の角度を取ることが出来るのですが、砲塔そのものは手動で動かすみたいです。
しかし、トラブルが多く、やはり現実的な用法ではないのか、アメリカ陸軍では採用されず、海兵隊が採用したものの、対戦車ミサイルの発達により1969年には全車両退役し、それ以降このような車両は作られることはありませんでした。
ベトナム戦争ではフレシェット弾(矢型の子弾を多数、散弾銃のようにばらまく弾)を用いて、対歩兵戦闘に活躍したみたいですが、バックブラストの問題、ここでも弾の車外装填が欠点となったみたいです。
M50A1オントスの製作
この車両は結構好きな車両なんですが、さすがにバリエーションもなく、キット化するところはないかな?と思っていたらアカデミーが出してくれました。さすがです。
で、このキット、ランナーで箱に詰まった状態だと結構、やる気がある感じなのですが、実際組み始めると微妙な欠点が目立ちます。あまりにも細分化した部品と、それぞれの部品の断面形状が歪んでいて、きちんと処理していかねばなりません。これが苦行です。部品数が多いのが苦行に拍車を掛けます。
それ以外はそれなりにまとまっているので、組み終わった後は面白い形の車両が手に入ります。
今回は兵隊も塗ってみました。
詳しくは製作記「M50A1オントス製作現場」にて。
M50A1オントスの製作を終えて
オントスは「超時空要塞マクロス」のデストロイド・モンスター初期設定キャプションで初めて知りました。特異な形と当時、戦車の砲塔とこれとの区別が出来ないひよっこでしたから「何でこんなに有利な形態が主流になっていないのだろう?」と思っていたのですが、今となっては当たり前ですな。
駄作の機体ですが、やっぱり格好いいと思います。