F-CK-1B経国
KIDDYLAND 1/72
F-CK-1B経国概要
中華民国がF-5Eの後継機として所望していたのはF-16であった。アメリカ政府も当初はF-5シリーズを供与していた国に対するIIF(中間国際戦闘機)計画として、F-16の廉価版かF-20を供与する予定であった。しかしレーガン政権に変わりIIF計画は頓挫する。F-16もF-20も手に入れることができなくなった中華民国は戦闘機の国産化に踏み切ることになった。
F-16やF-20の輸出をやめたのは、ソビエトや大陸に対してあまり刺激を与えないようにするための処置と言われているが、後のF-16の輸出の経緯を見て、おそらく米国内の兵器産業の事情のほうが大きかったのではないかと思われる。ノースロップよりジェネラル・ダイナミックス(GD)の方が政治力が強かったか。現に経国の開発にGDは参加している。
エンジンが双発ながら、はるかに出力が劣る民間用エンジンを使ったので、F-16の性能には及ばないが、このクラスの戦闘機ではかなりの性能を持っており、当時アジア初のアクティブホーミング能力を持った天剣2型を搭載したことから、大陸に対する抑止力を十分に備えたものを自国開発したという点で、後のF-16の輸出許可で生産機は減ったものの、存在意義を十分に持った戦闘機となった。
F-CK-1B経国の製作
2016年11月現在、経国の1/72インジェクションキットはおそらく台湾のキディランドがかつて出していたキット以外いないと思われます。で、このキット。ぱっと見は問題なさげに見えるのですが、よく見なくても問題点がどっさり。主翼の形状が違うし、インテーク周りも怪しく機首も下がり過ぎで。全体的にもさっとしているし。まあ、一番の問題点は一回り大きいことですか。本当なら全長F-16と同じくらいなはずなのになんか、F/A-18くらいの大きさになっております。
これらがわかった時点で一度、ゆっくりと箱を閉めたのですが、ネットでなんとかなりそうな3面図を見つけたのでこれをもとに切り刻めば大丈夫かなと思い、開始したのでした。
コクピットが使えるかなと思い、ハセガワのF-16を、キャノピーが使えればと思いF/A-18の中古をそれぞれ手に入れました。F/A-18のキャノピーは使えませんでしたが、エジェクションシートとスパローが使えました。後はジェットノズルの部品をタミヤの1/100、F-4から、燃料タンクの後ろをイタレリのF-100から。前後ろのタイヤ、サイドワインダーのローンチャーはF-16から。本体そのものは作り直しかと思いきや、刻んだり削ったり盛ったりしながらもしっかり使っております。ゲージ以上の役割は果たしてくれました。
難しかったのは各部のラインのつながりです。背中からお尻への流れや機首周りから胴につながるところとか。かなり、複雑なラインを形成しているので盛ったり削ったりの繰り返しでした。機首あたりはもうちょっと扁平気味で気持ちさがり気味に見えるので、それを再現したほうが良かったかなとも思います。後は主脚部分は幅があるようにみえるのですが、主脚の構造も相まって突っ込みきれないところでした。翼はどれもキットのものを使っています。プラ板からこさえるのが早いか、よくわかりません。
キャノピーは最初バキュームで絞ろうかと思ったのですが、うまく絞り込みきれないのでヒートプレスで。すごい数失敗しましたが。製作記はこちら→「F-CK-1B経国(1/72)製作現場」
F-CK-1B経国の製作を終えて
苦労するなとは思っていましたが、案の定、産みの苦しみの連続でした。考え方ではF-16XLよりも大変だったかもしれません。F-16が双発化された程度と思っていましたが、似て非なるものだったんですね。F-5の進化系がF/A-18ですけど、似て非なるものですし、F-16の経験をフィードバックすればこうなるのかなとも思います。
ノーマルなF-16作って並べたほうが良さげですね。