F-101B VOODOO(ヴードゥー)
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F-101B VOODOO(ヴードゥー)概要
1950年代、陸軍航空隊から独立した組織になった空軍は戦略兵器、長距離大型爆撃機の護衛機の開発に苦心していました。その計画は途中頓挫し、戦略爆撃機は己自ら守る方向性へ、さらに核爆弾の小型化で戦術戦闘機に搭載し、個々に攻撃させようとことにもなりその時開発されていたF-101にも影響を与えることになります。
戦術戦闘機として開発されたA型は特有の悪癖を持ち、ほとんど機動が出来ないという戦闘機としては使えない代物でしたが、生き残りの道を見つけることになります。それがベトナム戦争前半で活躍した戦術戦闘機RF-101C、もう一つが防空戦闘機のF-101Bでした。
この時代にはコンベアが開発した防空専用のF-102、F-106があります。また短期間ですが、F-104もありました。その中で戦闘機としては欠陥機に近いこの機体が生き残れたのはなぜでしょう?それはジーニー空対空核弾頭ロケット弾が搭載できたからに他なりません。ジーニーはミサイルの信頼性が乏しかった時期、敵爆撃機編隊に核弾頭を空中爆破し殲滅するという思想のもと開発された無誘導のロケット弾。核弾頭なので大体のところで爆発してくれればいいというモノです。敵爆撃機の迎撃ですから下手すれば自国の上空でドンドンと核爆発を起こそうというもの。今じゃ考えられませんね。
また、ジーニを搭載できますが、高価なSAGE(半自動の迎撃システム)を持つF-106に比べ、複座で何かの時にマニュアル迎撃が可能なこともF-106を補完するモノとしてF-101Bの存在価値を与えるモノでした。
F-101B VOODOO(ヴードゥー)の製作
そんな防空型のヴードゥー。レベルがキット化しています。長らく絶版状態でしたが、今世紀に入って突然、一回だけ再販がかかったものを購入。タンスの肥やしになりかけていたものを製作しました。
このキットはおそらく、モノグラム製のものだと思われます。かっちりしたスタイルそのものはヴードゥーらしいですし、パネルラインもしっかりと彫り込まれ、ディティールそれなりにしっかりしています。
しかし、今日的なパーツ同士の合いの良さを望むべきもなく、そこら辺で時間を取られてしまうキットですね。まあ、このキットの売りであるウェポンベイの回転をオミットすればさほど時間を取られるモノではありません。
インテーク内部など再現されていますが、これも神経質に継ぎ目消しをやると時間を取られることに。ファンも立体感ある造形なのですが、実際はほとんど見えませんし。
アンテナなどは最後期のモノを再現してありますので時代に合わせて取ったりつけたりしましょう。
デカールは薄いのですが、硬いです。マークソフターの放置プレイで何とか貼れますが。
一番大変なのは、組み立て説明書。日本語は一切無い上にかなりわかりにくいです。やっぱり、わかりやすい説明書は大事ですね。
とにかく一つ一つの部品の整合性をチェックしながらの組み立てになりますが、出来上がると味のあるヴードゥーに仕上がりますので、一度お試しを。
製作記はこちら→1/72F-101Bヴードゥー製作現場
F-101B VOODOO(ヴードゥー)の製作を終えて
レベルのキットはくせ者です。キャラメルパッケージにごろっと入っているパーツ群。最近はビニール袋なんかで透明パーツを守ったり、中でゴロゴロしない配慮がなされるようになりましたが。そして、相変わらずわかりにくいざらしの組み立て説明書。
しかし、中のパーツ類はなんか、作ってみたいという気にさせるこだわりみたいなモノを感じるんですね。
まあ、作ってみるといろいろ面倒なことになってしまうってのもレベルですが。