DOUGRAM(ダグラム)

マックスファクトリー 1/72

DOUGRAM(ダグラム)前DOUGRAM(ダグラム)後ろ

DOUGRAM(ダグラム)概要

1982年の正月。もらったお年玉を握りしめ、近所の玩具屋の初売りに行った。目当ては前年12月に発売された1/100のズゴッグと知らないけどなんか、コクピットが頭部にあってガラス張りな「リアル感」満載のロボットだった。説明書には憧れの大河原先生のオリジナルイラスト(後に準備稿だとわかるが)が入り、武装の説明に「リニアガン」「スモークディスチャージャー」「チェーンガン」などのミリタリーな文字が踊り、ガンダムなんかよりリアルなロボット兵器感を醸し出していたのだった。
すでに1981年の秋に放送が始まっており、初めて見たのはクリンの父親、ドナン・カシムがデロイア軍のフォンシュタインに軟禁され、それを救うためにハングライダーを背負って夜間強襲作戦に参加するラウンドフェイサー隊にクリンは半ば強引に参加するが、待っていたのは握手をするドナンとフォンシュタインだった。イデオンやザブングルとも違うガンダムのある面をさらにリアルに追求した作風に虜になるのだった。

DOUGRAM(ダグラム)リニアガン構える

クリンとデイジーのすれ違いの愛がテーマのように見えながら、実質はラコックの画策とガンダムのホワイトベースの面々よりさらに政治、歴史の波に呑まれ末端の一組織と化していくデロイア7。結末はデロイアの開放という最初の目的に行き着くのだが、クリン自身その結果に満足したわけではなく、反乱の象徴たるダグラムを燃やしてエンドとなり、物語冒頭のブロークンダグラムに還るのである。
ここまで、政治大河ドラマというかある意味クソつまらないロボットアニメは金輪際、出てこないと思われるが、当時よりも2度めに見た20代後半の方が理解できたし、更にもう一度今見ればされに理解ができると思われるが、世界が激変(後退)していて30年以上前と何も変わらないという方が、情けないというか。
そんなものを内包したダグラムという作品、自分の人生にある意味、ガンダム以上に影響を与えたみたいだ。 

DOUGRAM(ダグラム)の製作

DOUGRAM(ダグラム)、ターボサック前DOUGRAM(ダグラム)、ターボサック後ろ

マックスファクトリーがプラモデルしてのダグラムを出すと聞いた時はまあホント、タカラからのダグラムの再販は絶望的だったので小躍りするくらい嬉しいニュースだったのだけど、期待しすぎたのか、時の流れとその時の流行的デザインが自分の頭のなかでないまぜになって、いざ手に取った時は若干の違和感のあった今回のダグラム。しかし、仮組みしてちょっとほっといた後、MGでダグラム特集組んだ号を買ってきて記事を読んでいたら、ふと気づいた。記事全体は例えばダグラムだと1/48のヤクトダグラムを目指し、ブロックヘッドだとデュアルマガジンにあった大河原先生のピンナップイラストのイメージとどれも劇中のイメージではないのだ。確かに劇中で印象的なCBアーマーのシーンは冒頭のサビサビダグラムしかなく、ガンダムのように安彦作画のこのシーンみたいなイメージを固める作業ができないからだと思った。
してみて、マックスファクトリーの今回のダグラムはよくよく考えれば設定画のある意味、スマートなダグラムの再現だと思えば、小さめで細身なキャノピーの頭部はあながち間違いじゃない気もするし、これはこれで正解じゃないかなと思ったのだった。

DOUGRAM(ダグラム)、コクピット

で、手を付け始めたダグラム。前記のように思えばさほど、手に入れるべき場所は少なく、塗装で楽するために後ハメ加工と、腿パーツの膝裏を削り込んでS字立ちをしやすくする、肘裏のポリパーツが丸見えなのでプラ板で隠すぐらいでした。後はパーツ各所のエッジのバリが目立つので、整形してやることくらいでした。
ガイアノーツのダグラムカラー、本体の濃いブルーと薄いグレーを買ってきたのですが、濃いブルーは設定色ではこれなのですが、劇中ではほとんど塗られたことがないし、濃いブルーの印象が強いので、飛行機特色のサンダーバーズカラーで塗装。汚しはかなりきつめにかなり塗り残したり、ムラが出たりするようにいじくり回しました。作業中、剥げたエッジ部分はドライブラシとグレーのハゲチョロでごまかしました。ちょっとだけ大河原イラストのハゲチョロを意識したつもりです。
詳しい製作記は「ダグラム(1/72)製作現場」で。

DOUGRAM(ダグラム)の製作を終えて

マーチャンダイジング的にポストガンダムとして大成功を収めたダグラムですが、当時的感覚だとガンプラのマンネリ化に対して、キットが出るたびになにか新しいというタカラのSAKシリーズは、キットの箱を開けるドキドキ感があったと思います。ダグラム、ボトムズの流れがSF3Dのキットに集約されてそれがニットーの倒産にも繋がるわけですが、しかし、当時のキャラクターモデルキットの熱はそれこそ凄まじかったわけで、その先鋒だったのがダグラムのキットだったというと言いすぎでしょうか?

まあ、青春の1ページというとまだ、早い時期でしたが、影響を受けたには違いないダグラムに再び巡り会えて、作れた事に感謝。

DOUGRAM(ダグラム)、リニアカノン構える

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