真説・光クラブ事件 (2011年8月26日)

真説・光クラブ事件
保阪さんの昭和シリーズの一本。
三島由紀夫が「青の時代」の執筆の際、モデル事件として扱ったのは有名な話ではあるけど、青の時代を読んだときはさほどのイメージはわかなかったのだが、山崎晃嗣はただ、甘チャンだったということだ。
三島も言動や物書きとして言葉の使い方が上手いので、らしく見えるのだが、彼の最後の結果を見ても甘チャンだったということだろう。山崎の場合はあまりにも人間というものや、社会というモノをシステムとして考えすぎていたということだろう。
軍隊時代の友人の死がそれを決定づけたのかもしれないが、むしろそれは彼のデジタル志向に拍車を掛けただけかもしれないのだ。
思考が論理的ということは必ずしも悪いことではないが、それを突き詰めると社会からスポイルされる。さらにその論理性が最初の設定で間違っていると結果は世の中と合わないモノになることを承知してあえてそれをやるのと、気付かないまま突き進むのとは訳が違うのだ。
山崎は実に甘チャンだったということだろう。しかし、かれの思考形態を持つ人間が現代ではいかに増えているかという事を考えると、少し憂鬱になるのも事実だ。

しかし、ワシ自身が人に甘チャンだと断言できる人物ではないのだがね。

この記事のタグ:

Wrote by ぷー /コメント (0)

コメント

コメント記入欄




保存しますか?



画像の中に見える文字を入力してください。

表示切替:スマートフォンスマートフォン | PCPC
▲ ページトップへ