耐震強度偽装 (2005年11月20日)
地震大国の日本、昨年の新潟地震、今年は新潟ほどの被害はなかったモノの仙台沖や茨城あたりを中心とした地震が多発し、海外でも昨年末のインドネシア大津波や先程のパキスタン大地震など天災が続いている。
とりわけ、関東、東海は東海沖地震の影響、特に関東は関東ローム層という貧弱な地盤で地震に弱いとされている。近いうちに動くであろう活断層もあるし、新潟のときのような見えない断層を数えたらきりがないほどである。大陸プレートのずれによる大地震はまだ先の話だろうが、それに関連したずれによる地震の可能性は大いにある。
だからこそ、高層ビルの耐震規定は非常に厳しいモノであり(9.11の貿易センタービルは当然、日本のそれに比べて低く設定してあったので、崩れてしまったという話も)、それ故にコストもかかってしまう。
偽装し、安全基準を低く見積もり、安く仕上げた設計事務所に責任があるのは事実だが、都内一等地に格安物件が出来るというのがおかしいと気付かなかったのかと思う。
国の政策で株バブル、土地バブルを起こそうとしている。その一環が都内の再開発、高層ビルを建て、その容積分を土地と考え、地価そのものをつり上げようというモノだ。当然、そこに人が入ってもらわないと価値が出ない。郊外と同じ条件で安いと感じる値段じゃないと魅力が出ない。では、どこを削っていくかということになる。普通は安全部分なのだ。春の福知山線しかり、最近のJALのトラブルしかり。
なぜ、JR西日本が無理をしたのか?JALのトラブルが頻発するのか?答えは至極簡単。企業として収益が上がっていないからだ。JR西日本は赤字の厳しい企業だし、JALは9.11とSARS、鳥インフルエンザで2001年以降非常に厳しい状態、最近、多少持ち直したというが、原油高の影響を受けていないわけがない。しかも、エアドゥやスカイマークなどの新興会社が出てきたおかげで、価格競争も生まれてしまった。客室乗務員のリストラや契約社員化が言われたが、安全面、整備面でも「スリム」化してしまったのではないか?JALが墜落事故をおこさないのは奇跡みたいなモノだ。
安全というのは「フェイルセーフ」化してこその安全なのだが、今の物事はぎりぎりの安全機能まで落として、はたまた安全機能をはずしてそれを維持しているのではないか?これではまるで海軍の無理な要求を達成するため。まず安全装置をはずしてしまった一式陸攻である。
そのツケは必ずくる。
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